いぬまさ裏日誌 - 断尾や断耳について
この前、知り合いから「コーギーで尻尾のある仔を見かけた」と話がありました。彼女にとってはとても新鮮というか、奇妙にすら映ったようです。そこで「尻尾の無い(短い)コーギーは、子犬の時に切られているんですよ」と返したら、目が点になってました。「切っちゃうんだ。もともと尻尾が短いわけじゃないんだ」と、これまた驚いていました。
知らないことなんで無理もないでしょう。犬好きならコーギーやドーベルマン、ミニチュアピンシャーなどが、断尾や断耳をしていることを知っている人も多いはず。
でも知らない人も居るのは当然。犬に興味がないなら、無理もありませんよね。
これら断尾や断耳は、以前ここでも書いた人間のエゴの最たる部分にあたるのだと思います。そもそもの歴史は、牧羊犬として使役するコーギーの場合は、家畜達に尻尾を踏まれないようにするため断尾したとされてます。闘犬や警備犬として使役するドーベルマンなどでは、噛み付かれたり持たれたりする部位を減らし、防御の能率アップとしてされたとか。
その歴史的な経緯は否定するべきことではないかもしれません。ただその後、愛玩犬として飼育されるようになっても、断尾や断耳した状態が犬種のスタンダードとされたこと、それを血統書を維持するために慣例として生体販売してきた業者に、問題があると思います。
身体の一部を使役に関係なく切り落とすなんて、ナンセンスでしょうね。仮に使役用だったとしても、正直納得できないと個人的には思いますから。
人間もそうですが、不要な部分や臓器なんてありません。またそうすることで、デメリットが無いと言い切ることもできないはず。慣例的になっているためか、業界内ではデメリットに関しては何もアナウンスされませんが、そんなわけはないと思います。子犬の時だと痛みも少ない、もしくは感じないなどという話も、信じられませんよね。
ともあれ、人間のエゴで慣例となっただけの行為であることを、少なくとも犬好きには知っていて欲しいと思います。